ローコストキャリアこと、LCCって知っていますか?
日本語で言うと、格安航空会社です。
ピーチ航空やジェットスタージャパン航空がLCCにあたります。
休みが取れた!沖縄に行こう!って飛行機を調べると必ずLCC(格安航空会社)が出てきますよね。
ANAやJALが2万円~5万円くらいするのに、LCCは5000円~1万円で乗れたりします。
半額以上の値引きです。嬉しい!!!
でも、ちょっと不安ではないですか?
安い航空会社はパイロットが下手なんじゃない?整備士は優秀?墜落しない?って気になったことはありませんか?
結論から言うと…
LCCは安全です!!!
今回は不安を払しょくするための記事です。
LCCとか関係なく飛行機そのものが怖いんです!という方はこちらの記事も読んでみてくださいね!
飛行機が苦手な人の対処法をご紹介しています。
LCCが安い理由
まずはそもそもなぜLCCが安いのかを説明します。
【1】使用機種の統一
ANAやJALは大中小さまざまな大きさの飛行機を使用しているのに対して、LCCでは1種類に統一することが多いです。
航空機の免許は機種ごとに必要なので、機種を統一すれば、パイロットやCA、整備士の教育にかける費用を抑えることができます。
また、部品の在庫も1機種用に統一できるので、その面でのコストも抑えることができるそうです。
【2】機内設備を簡素化
同じ機種であっても、それを運航する航空会社によって機内設備は大きく異なります。例えば、海外のエミレーツ航空は、機内にBarやシャワー室があります。LCCでは各シートのグレードを下げ、座席モニターやエンタメ機器を導入しないので、初期投資や整備費を抑えることができます。
【3】座席数を多くする
同じ機種であっても、座席数を増やせば、一度のフライトでより多くの乗客を運ぶことができますよね。もちろん、それだけ座席は窮屈になります。これがLCCのデメリットの一つです。
【4】無料サービスの廃止や縮小
機内食は有料です。また、毛布や枕の貸し出しも有料なので利用者が限られるため、事前に準備する個数を抑えることができます。
さらに、チェックイン時に預ける受託手荷物についても、大手よりも厳しい条件を設けて課金しています。規定の重さ以上の荷物に課金すれば、それが収入になるのです。また、乗客が持参する荷物を多少でも少なく抑えようとすることで、飛行機の重さが軽くなり燃料費の節約にも繋がるのです。
【5】駐機時間の短縮
LCCはなるべく少ない飛行機の数でたくさん飛行します。
LCCの運航スケジュールを見ると、到着から次の離陸までの時間が大手よりも短く設定されているのが分かります。
遅延が生じなければ問題はないのですが、たとえば早朝便が遅れると、それ以降の便すべてがドミノ式に遅れる…といったケースも。LCCのフライト時間に遅延が生じやすいのは、このためです。
【6】ネット予約が中心
LCCは、支店や窓口を最小限にして、チケット販売はネット予約や電話を中心に行っています。
また、旅行会社を通さないので、そこに支払う販売手数料も節約できるのです。
【7】人気の空港を避ける
一般的に、都心に近い便利な空港は、少し離れた地点にある第二空港に比べると空港着陸料が高く設定されています。そのため、LCCは利便性を犠牲にして、第二空港を利用することがあります。
たとえば日本の場合、羽田空港より成田空港のほうが安いですし、茨城空港を利用すればさらに節約できます。この差額がフライト料金に反映されるのです。
【8】人気路線だけ運航する
大手航空会社は、公共交通機関としての機能もあるので、大きな黒字が見込めない路線を運航している場合があります。採算の高くない路線を抱えたエアラインは、ほかの路線の価格を上げなければトータルで黒字にならないため、単純に「人気路線を安くする」という方法をとりにくいのです。
LCCの場合、そのような縛りはないので、いつも満席になるような人気路線だけを運航すればいいのです。
LCCが安い理由はこちらの記事に詳しく書いています。
LCCの安全性
以上のように、「LCCが安い理由」を8つに絞って解説しましたが、まだまだ多くのコストカットの工夫がされています。
LCCが大手に比べて驚くような低価格が実現できるのは、このようなコストカットを積み重ねた努力の賜物なのです。
この中で、安全に関わることで経費削減している例はあったでしょうか。
そうです、無いんです。
機内設備の簡素化などは安全に関することではありませんし、整備費の削減も飛行機の種類を統一しているだけです。
安全に関することで経費を削減しているわけではありません。
安全性はANAやJALと変わらない
国土交通大臣の許可が必要
それでは、ここからはLCCが本当に安全なのか詳しく解説していきます。
皆さんが航空会社を作るとしましょう。
莫大なお金がかかることは置いておいて、まず国土交通大臣の許可が必要です!
航空機に有償で乗客や貨物を載せる航空会社を経営しようとする場合、その事業開始の前に、国土交通大臣の許可を受けなければなりません。これは航空法第100条で定められています。
では、国土交通大臣の許可はどうしたら貰えるでしょうか。
莫大な資金があれば許可が出るわけではありません。
ここで鍵になるのが、安全な航空会社なのかということです。
つまり、そもそも安全な航空会社でなければ許可が出ないのです!
実際にその判断を大臣がするわけではありません。判断するのは、CABと呼ばれる国土交通省航空局です。そのCABの判断がいい加減だったら危ないんじゃないの?って思いますよね。
実はこれがかなり厳しいんです。
CABはアメリカの連邦航空局であるFAAや欧州航空安全機関であるEASAの基準に準拠しています。
つまり、世界基準があるのです。
この厳しい基準を満たす必要があります。
逆に言えば、今LCCとして運航しているということはこの厳しい審査を合格しているということなので、安全であるといえますね。
運航規程と整備規程の認可が必要
さらに認可を受けることはまだあります。
本邦航空運送事業者は、航空機の運航を行う場合、運航規程及び整備規程を定め、航空法第104条の規定により国土交通大臣の認可を受けなければなりません。
運航規程に定めなければならない内容は、次のとおりです。(航空法施行規則第214条)
一応、全て記載しておきますけど、そこまで興味ないよって人は飛ばしてください(笑)
- 運航管理の実施方法
- 航空機乗組員及び客室乗務員の職務(客室乗務員の職務については、客室乗務員を航空機に乗り組ませて事業を行う場合に限る。)
- 航空機乗組員及び客室乗務員の編成(同上)
- 航空機乗組員及び客室乗務員の乗務割並びに運航管理者の業務に従事する時間の制限(同上)
- 航空機乗組員及び客室乗務員並びに運航管理者の技能審査及び訓練の方法(同上)
- 航空機乗組員に対する運航に必要な経験及び知識の付与の方法
- 離陸し、又は着陸することができる最低の気象状態 ?
- 最低安全飛行高度
- 緊急の場合においてとるべき措置
- 航空機の運用の方法及び限界
- 航空機の操作及び点検の方法
- 装備品、部品及び救急用具(以下「装備品等」という。)が正常でない場合における航空機の運用許容基準
- 飛行場、航空保安施設及び無線通信施設の状況並びに位置通報等の方法
- 航空機の運航に係る業務の委託の方法(航空機の運航に係る業務を委託する場合に限る。)
整備規程に定めなければならない内容は、次のとおりです。(航空法施行規則第214条)
- 航空機の整備に従事する者の職務
- 整備基地の配置並びに整備基地の設備及び器具
- 機体及び装備品等の整備の方式
- 機体及び装備品等の整備の実施方法
- 装備品等の限界使用時間
- 整備の記録の作成及び保管の方法
- 装備品等が正常でない場合における航空機の運用許容基準
- 整備に従事する者の訓練の方法
- 航空機の整備に係る業務の委託の方法(航空機の整備に係る業務を委託する場合に限る。)
運航管理施設等の検査が必要
まだまだあります…
本邦航空運送事業者は、当該許可に係る事業の用に供する航空機の運航管理の施設、航空機の整備の施設その他の国土交通省令で定める航空機の運航の安全の確保のために必要な施設について国土交通大臣の検査を受け、これに合格しなければ、当該運航管理施設等によりその事業の用に供する航空機を運航したり整備してはならないこととされています。
なんぞやって話ですが、つまり訓練施設や訓練体制、パイロットの健康管理、飛行機の整備施設、部品の保管施設などをCABに検査してもらい、合格する必要があるということです。
検査検査検査の繰り返し…
これだけ検査を繰り返してやっと飛ばせるんです。
安全監査立入検査がある
まだまだあるんです、もう勘弁してあげて。
本邦航空運送事業者の運航の安全確保に係る日常業務の現状を的確に把握し、各事業者の実態を踏まえた監督・指導を行うため、計画的に、また随時抜き打ちで事業者の本社及び運航・整備の現場等に立ち入り、安全監査立入検査を実施します。
つまり!最初だけじゃなくて定期的に検査するからいつでも合格基準を満たしておいてね!ってことです。抜き打ちで急に検査に来るんです。この検査をパスできなければ、運航停止です。
よって、常に安全に対して最善を尽くさなければ、飛行機は飛ばせません。
いかがでしょうか。
LCCだろうが、ANAやJALだろうが、全ての航空会社が同じ基準で検査されます。
つまり、どちらも安全面は同じです。
LCCのパイロットは下手?
LCCはパイロットが下手なんじゃない?ANAやJALのほうが凄腕なんじゃない?って思った方、ノンノンノン☝
航空法第72条の規定により、航空運送事業の用に供する一定以上の大きさの航空機に乗り組む機長については、航空機乗組員等に対する指揮監督や異常状態における航空機の操作等の機長に必要な知識及び能力について、国土交通大臣の認定及び定期審査を受けることとなっています。
ハイまた検査~(笑)
パイロットに能力があるか定期的に審査を受けるのです。
つまり、どの航空会社のパイロットも変わりません。
でも、実際のところANAやJALのほうが優秀でしょ?って言われると…
一概には言えませんが、ANAやJALの自社養成パイロットは、高倍率を勝ち抜いているので学歴的には優秀かもしれません。しかし、学歴とパイロットの腕はあまり関係ありません。高学歴が車の運転がうまいとは限らないのと同じです。
大手とLCCどちらが操縦が上手いかは分かりませんが、こんな考え方ができます。
ANAやJALは国際線があります。国際線は飛行時間が長いですが、離陸回数や着陸回数は少ないです。
それに比べてLCCは国内線が中心で、1回の飛行時間は2時間程度。
同じフライトタイム100時間でも、離陸回数や着陸回数はLCCの国内線パイロットのほうが多いのです。国際線パイロットは自動操縦の時間が長いですからね。
とはいえ、離陸や着陸だけがパイロットの腕ではありませんから何とも言えません。
いずれにせよ、LCCだからと言ってパイロットが下手なんてことはありません。
ちなみに現在はLCCのパイロットの大半が、大手航空会社や海外からヘッドハンティングされた人だそうです。
古い機体を使っているのでは?
確かに中古の機体を使うところもありますが、多くのLCCは新造機を購入しています。新造機を単一機材で揃えることでコストダウンを図るので、機体単体の価格を重視しているわけではありません。
加えて、国で定められている厳しい安全基準に合格した機体しか使用できないので、LCCの機体の安全性には疑いの余地がありません。
大手航空会社だって、古い機体や中古の機体を使用することだってあります。
LCCの整備は本当に大丈夫?
LCCは、運航便の整備作業は自社の整備部門で行います。機材が1つなので整備士が技能を習得するのが比較的容易で、大手エアラインに劣ることはありません。整備士は国家資格ですからね(笑)
一方、重整備は、大手航空会社も利用している海外の整備専門会社に委託する場合が多いです。そのため、LCCだけが整備が甘いわけではありません。
まとめ
いかがでしたか???
もう一度言いますね!!!
LCCは安全です!
ご清聴ありがとうございました。
飛行機が怖い!という人はこちらの記事をご覧ください!
LCCが安い理由はこちらに詳しく記載しています。
ジップエアという新しい国際線専門のLCCが誕生しました。
気になる方は、是非読んでみてください!
東京で飛行機が見えるおすすめスポットをこちらでご紹介しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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