ホテルマンという仕事に憧れる人は多いと思います。
私もその一人。
しかし、ホテルマンは離職率が高いという現実があります。
では、転職している元ホテルマンはどんな業界に進んでいるのでしょうか。
ホテルマンの離職率が高い理由
そもそもなぜ離職率が高いのかをご紹介します。
ホテル業界の離職率が52.3%と高いのは、①給料が低い②労働時間が長い③就業体系が不規則④休みが少ない⑤業界的に転職者が多い、以上の5つが原因です。また、ホテル業界はキャリア・年収UPのためには転職が必要な業界体質なので、他業界より転職のハードルが低く転職しやすいという一面があります。ヘッドハンティングが多く、人手不足の中で優秀な人材はどこも欲しがるというのがホテル業界の現状です。
給料が安い
給料が高いか安いかは個人の価値観で変わるので一概には言えませんが、一般的には安いと言われています。
実際にホテルマンの友人に聞いても、安いと感じている人が多いそうです。
朝から夜まで働いているのに給料が安いと、働くモチベーションが下がってしまいますよね。
若いころは他業種の人ともそこまで収入の差は感じないかもしれませんが、他の業界が1年で月収6000円ずつ昇給していたら、ホテルは3000円だったりします。つまり、給料が上がりにくい特徴があるのです。
どんなに辛い仕事でも、賃金さえ高ければ退職を留まる人も出てくるでしょうが、賃金が低ければ辞めるのに躊躇する事はないでしょう。
実はホテル業界の20~24歳の平均年収は242万円と言われています。他業界では平均年収300万円のところが多いので、それに比べるとホテル業界の給与は低いと言わざるを得ません。さらに年齢が上がれば差が広がっていくのは言うまでもありません。離職率が高いのも頷けます。
労働時間が長い
ホテル業界で実際に働いている人は、朝早くから終電ギリギリまで働くことが多く、ブラックなところでは何日も家に帰れず仮眠室で1週間を過ごしたという話もあるそうです。ネット予約の普及により、サービスの低価格化が進み、少ない従業員で多くの仕事を捌かなければならない状況が関係しているようです。また、コスト面だけでなく、実際に従業員も不足しているため、現実的にローテーション業務を行う事がキツイというのも労働時間が長い原因のようです。実際、18時の夕食を担当してくれたスタッフさんが翌朝9時の朝食を提供してくれた時はビックリしました。
本当はまだホテルで働きたかったけど身体を壊して離職する人もいるようですね。
不規則な生活
先ほどの長時間労働に合わせて、「就業体系が不規則」な点が挙げられます。先程、労働時間の長さを説明した事である程度予想はつくかもしれませんが、ホテル業界の働き方は基本的にシフト制です。そのため、規則的な生活を送るのは困難です。
就業体系が不規則ということは、体内時計も狂いやすく、体調も崩しやすくなります。その上の激務と長時間労働ですから、身体を壊す人が多いのも仕方ないと言えますよね。この点も離職率の高さを物語っています。
休みが少ない
ホテル業界に限らず、飲食やサービス業はどこもそうですが、基本的にみんなが休みの時に働く商売です。一般的な休日である土日やお盆・正月などは休めません。むしろ繁忙期です。さらに、休み自体も少ない業界です。勤務体系がとてつもなくハードなのに、週休1日制など休みが非常に少ないのです。まさに好きでないと続けられない職業といえるでしょう。
業界的に転職者が多い
1つのホテルで長く働かずに、ホテルからホテルを渡り歩くという人が多い特徴があります。業界的に転職者が多いという事は、転職に対するハードルが低いとも言えます。一般的には3年以上同じ企業で働かないと転職は難しいというのが、他業界で世の常識ともなっていますが、ホテル業界は異なります。外資系ホテルが多く、経営責任者が外国人というホテルも多いので、海外の考え方が影響しているのかもしれませんね。
ホテルマンとして働くメリットとデメリット
ホテルのデメリットばかり記載してしまいましたが、もちろんメリットもあります。
この記事を見ている人は現役ホテルマンが多いと思うので、説明しなくても分かっている方がほとんどだと思います。
気になる方はこちらの記事に詳しく記載しているので、是非ご覧ください。
ホテルマンの転職先
それでは本題に入ります。
ホテルマンはどんな業界に転職しているのでしょうか。
同じホテル業界
意外と多い転職先は、同じホテル業界です。
同じホテル業界で転職しても問題は改善されないのでは?と思いますが、ホテルマンとして収入をアップさせたい場合はホテルを変えることが最も近道なのです。働いているホテルで表彰されたことを武器に、一流ホテルに転職して収入をあげるというイメージです。
日本の企業は年功序列が多いので、1つの会社で長く働くことが高収入の近道ですが、ホテルマンはホテルを変えることで収入がアップするのです。自分のことを高く評価してくれるホテルを探して、転々とするので、イメージ的にはサッカー選手や野球選手と同じですね。
航空業界
航空業界には元ホテルマンが多いです。
既卒採用も積極的に行っているので、CAやグランドスタッフが特に多いですね。
同じ接客なので今までの経験を活かすことができますし、転職の際に評価されやすいです。
もともと航空業界に憧れていた人や、ホテルと迷っていた人に多い印象です。
航空業界もデメリットの部分はホテル業界と似ているので、生活スタイルが大きく改善することは期待できません。
外資系企業
ホテルで働いていた方は、語学を強みとして働いていた方も多いのではないでしょうか。業務の中で、英語、中国語の必要性を感じて勉強してきた方も多いと思います。
語学は、転職市場においても評価されるスキルになります。語学力に自信があれば、外資系企業がおすすめです。
TOEICなどの資格を取ったり、実践の場で語学を活用してきた経験を説明したりして、アピールするとよいでしょう。
看護師
ホテルマンは女性が多いので、転職先に看護師も選ばれやすいです。
全く異なる業界ですが、これには理由があります。
ホテルマンというのは具体的に必要な資格がありません。
いざ辞めるとなった時に、社会で役立つ資格がないことに不安を覚える人がいるそうです。
看護師は3年間学生に戻ることになりますが、資格さえ取得すればその資格だけでいつでも仕事を見つけることができるのです。
今更学生に戻っても、生活はどうなるの?と心配になりますが、看護師は奨学金も充実しています。さらに、奨学金を借りた病院で一定期間働けば返済が不要になる場合が多いのです。
ホテルマンは人の役に立つことが好きな人が多く、高収入な仕事を探しているので看護師が選ばれます。
医療事務
医療事務も看護師と同様に資格が必要な仕事なので選ばれることが多いです。
看護師などのほかの資格より難易度が低いので、人気の職業です。
一般職・事務職
一般職・事務職とは、書類の作成や処理、来客対応などオフィスで必要な様々な業務を行う職種です。
他の社員をサポートする業務とも言えますから、ホテルのお客様が気持ちよく過ごせるようにサポートすることにやりがいを感じていた方にはおすすめです。
労働時間や生活リズムは改善できますが、正規雇用の募集は少なく薄給であることが一般的です。
少しでも良い条件の求人に受かるためには、医療事務、調剤事務、歯科助手などの資格の取得を検討してみるとよいでしょう。
接客業
ホテルマンとして身につけたコミュニケーションスキルを活かしやすいのが、接客業です。ホテルスタッフとしての接客スキルは他の業界でも即戦力として通用すると言われています。
実際に、高価格帯のレストランのホールや高級ブランドの販売員に転職される方も多いです。
レクサスやBMWなどの高級車販売の接客であれば、かなり条件がいいです。
飲食店やアパレル関連の接客も大変と言われることがありますが、ホテルと違って夜勤の必要性はないためそれほど不規則な生活にはなりづらいです。
営業職
接客業同様にホテルで身につけたスキルを直接活かせるのが、営業職です。未経験可の求人が多いことも特徴です。
こちらも、高級車のディーラーなどホテル勤務で洗練された所作が評価される職場との相性が良いです。
一度営業を経験すると、営業経験があるだけで次の転職も容易になります。
IT業界
中途採用を積極的におこなっているのが、IT業界です。
実績やスキルを積み重ねることさえできれば、学歴や職歴を問わずキャリアアップができることも特徴です。
現時点でスキルがない方は、プログラミングスクールを検討するとよいでしょう。スクールというと高いイメージがありますが、全額返金保証を設けているプログラミングスクールも多いです。
制度を上手に利用しよう
資格を新たに取得したい人は、教育訓練給付制度を活用しましょう。
この制度は、資格取得やキャリアアップを目指す人に最大168万円給付されるというものです。
使わないと損しますので、要チェックです!
教育訓練給付制度(一般)
働く人の主体的な能力開発を支援する雇用保険の給付制度です。
雇用保険の被保険者期間が3年以上の方、初めてご利用の場合は被保険者期間1年以上で対象となります(2回目以降は被保険者期間3年以上かつ給付金受給後3年以上で対象となります)。難しく書いていますが、1年以上会社で働いていればOKです。
英会話まで対象なのが嬉しいですよね!ちょっとスキルアップしたいなって人におすすめです。
- 簿記検定
- FP技能検定
- 英会話
- 調理師
- 大型自動車第一種免許
教育訓練給付制度(特定一般)
働く人の速やかな再就職および早期のキャリアアップ形成を支援する雇用保険の給付制度です。 雇用保険の被保険者期間が3年以上の方、初めてご利用の場合は被保険者期間1年以上で対象となります。(2回目以降は被保険者期間3年以上かつ給付金受給後3年以上で対象となります)。こちらも、簡単に言えば1年以上会社で働いていればOKです。
- 税理士
- 社会保険労務士
- 宅地建物取引士
- 行政書士
- 情報処理技術者試験
教育訓練給付制度(専門実践)
働く人の主体的で、中長期的なキャリア形成を支援する雇用保険の給付制度です。
受講開始日において雇用保険の被保険者期間が3年以上の方、初めてご利用の場合は被保険者期間2年以上で対象となります。
受講にかかる費用の70%が返ってくるなんて、転職のハードルがグッと下がりませんか?
資格を何も持っていないホテルマンには是非利用していただきたい制度です。
- 保育士
- 看護師
- 美容師
- 歯科衛生士
- 理学療法士
ホテルマンの転職のみんなの意見
ホテルマンの働き方や転職について、みんなの意見も参考にしてみましょう。
ホテルマン3年やって分かったけど多分あれは激務だった!😖 夜勤のストレスで体重増減しまくったし、夜勤手当がないと給料低かったし、年間休日も少ないし…自分の中では当たり前になってたけど働き方見直して分かることってたくさんあるなぁと転職を期に思った😀
— マヤピ (@_nekoya_nekoya_) November 1, 2021
転職したいーー。
— マネージャー (@rsv_revenue1002) January 15, 2021
でも、ホテルマンてなんで業界内で
転職するんやろ…?
そういう傾向あるよね…
知らんけど。
ホテルマン10年目。
— たろ~家族と自由な時間を目指します~ (@tarolifeblog) October 25, 2021
家庭を持ってから、いつも辞めたいと思っていた。
なぜなら、不規則で妻•子どもとの時間がなかったから😥
しかし、環境も変わり主夫として家族と過ごせています!
何事も諦めないのが大切だと実感しました(^^)
ホテルマンになった息子が2週間で辞めたいって電話してきたらしいんだよ。もう少し続けてみたらって言ったら俺以外の新卒は全員辞めてるんだってさ
— 世 水 (@Suikaba0725) September 21, 2021
全てのホテルがブラックなわけではないですが、実際に見てみると厳しいですね。
まとめ
いかがでしたか?
少しでも参考になれば幸いです。
仕事で失敗したから辞めちゃいたいな…って考えている人へ。
是非読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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